沈まぬ太陽のWOWOW版はサラリーマンのバイブル!腐敗した組織と闘う主人公の生き方に学ぶ

沈まぬ太陽のドラマ版を全話視聴した体験を元に作品の構図と魅力をまとめておきます。

沈まぬ太陽はすでにご存知の通り1985年8月12日に起こった日航機墜落事故をテーマに盛り込む作品として小説を原作に映画化されています。

映画版は俳優の渡辺謙氏が主役の恩地元氏を演じ、錚々たる俳優陣が出演した話題作です。

今回はその映画版の公開からおよそ7年後にWOWOWで制作放送されたドラマ版をプライムビデオから観てみることにしました。

では詳しい解説を本文でどうぞ!

ドラマ版沈まぬ太陽の視聴は案内ボタンからどうぞ!

沈まぬ太陽をプライムビデオで視聴

毎年、日航機123便墜落事故の時期がやってくるとニュースでも慰霊の問題を報道され当時17歳だった記憶が蘇ります。

アマゾンプライム会員の僕はプライムビデオのラインナップで今回のドラマ版【沈まぬ太陽】の存在を発見し全話視聴は当然の成り行きでした。

下記の記事でVODの経済的な利用をテーマにアマゾンプライムを評価しています。

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沈まぬ太陽はどうしても日航機墜落事故に関心を寄せてしまいがちですが実際はそれだけではありません。

航空会社の腐敗や官僚との癒着など裏社会の姿を炙り出しています。

詳しい事故の経緯などは多くの媒体で語られており、ここで勉強不足の見解を述べるつもりはありません。

このページでは沈まぬ太陽の総合的な魅力を語りたいと思います。

WOWOW版の沈まぬ太陽の魅力

映画版の作品時間は3時間を超える長編に仕上がっていますがやや駆け足な印象は否めません。

渡辺謙氏が演じる恩地元の姿も魅力的に映し出され観る者の共感を呼び起こします。

しかし原作が文庫本全5巻で構成されている長編小説を3時間22分の映画では網羅しきれなかったもどかしさを感じます。

WOWOW版の沈まぬ太陽では全20話で原作を網羅しているところがまず一つの魅力です。

全20話の物語は各50分のたっぷりの時間で映像化されています。

▼沈まぬ太陽が扱う題材

ドラマ版沈まぬ太陽を観た印象からネタバレを回避しつつ大体のテーマに触れておきます。

  • 企業責任と危機管理意識
  • 人間の誠実な生き方
  • 組織改革の難しさ
  • 天下り組織と官僚の癒着
  • 利権と人間の愚かさ

ドラマ版沈まぬ太陽では映画版で語りきれなかったストーリーがしっかりと描かれ全20話の中で問題を提示されています。

ストーリーの構成は3編で構成されます。

  • アフリカ篇
  • 御巣鷹山篇
  • 会長室篇

主人公恩地元氏が半官半民の航空会社で労働組合の委員長を任されたことから色々な苦難を味わうことになります。

そうした苦難が3編の中でこれでもかというほど描かれます。

さてドラマ版沈まぬ太陽の主演は90年代の大河ドラマ【功名が辻】に出演した上川隆也氏が恩地さんを演じます。

上川氏のやや重いヘセリフ回しが余計に苦難の深刻さを感じさせます。

物語で描かれる3編の中で人間としての誠実な生き方やドロドロとした愚かな人間模様を見せつけられます。

WOWOW版沈まぬ太陽の見どころ

まず第1話は日航機墜落をイメージさせる場面からスタートします。

このアプローチからも作品が事故を意識したストーリー展開を考えていると分かります。

第1編のアフリカ篇では恩地元氏の労働組合の委員長としての活躍が主なメインテーマです。

委員長の恩地氏と経営側の団体交渉で懐かしい俳優【古谷一行氏】の演技を楽しめます。

委員長の厳しい要求にほとほと困る表情を見せる古谷一行氏の演技はなかなかのリアリティです。

シリアスな場面の連続で物語にのめり込んでしまいます。

沈まぬ太陽の構図

さて沈まぬ太陽はフィクションであると前置きされてはいますが半官半民のずさん経営の航空会社と信念を貫く社員とのリアリティーある構図がメインテーマです。

フィクション的な側面も見られると推測しますが、すでに確認できる情報から実際に起こった事件もストーリーに登場し現場の人間を揺さぶります。

こうした背景からもフィクションストーリーとして観るのは無理があります。

>>日本航空放漫経営と長期為替予約の実態

しかし為替予約の多額な損失事例などの事実も盛り込みながらノンフィクションと断言できなかった理由は日航サイドの理解が得られなかったことが考えられます。

さらにストーリーの構成上、リアリティーが不足する情報を一部フィクションとして構成する場面があったのだと考えます。

そうした意味では主人公の恩地氏の実際のモデルは日航機墜落事故での遺族係りを担当してないとされています。

しかし航空機墜落事故において日航社員のどなたかが担当しているのは間違いない事実です。

現場の担当者と遺族の想いを恩地氏の姿と映画という伝達手段によって世に知らせたのだと考えます。

こうした飛行機事故をテーマにしたストーリーが2部の御巣鷹山篇で描かれ飛行機事故の凄惨な状況が映し出されます。

命の尊さを伝える重い役割りがこの作品に詰まっています。

腐敗した組織と信念を貫く社員とのリアリティーある構図

フイクションの理解で視聴はしていますが10年に渡る不当な僻地勤務を命ぜられた社員には会社の露骨で非情なやり方があったと容易に推測できます。

戦後のGHQ仕切りから発足した航空会社は政府主導のずさん経営で利権が絡み旨味を得ようとする醜い人間関係に辟易します。

腐りきった組織を改革するために立ち向かおうとする中、利権に貪る官僚や役員の行動に見る目を疑います。

沈まぬ太陽のモデルとされるリアルな航空会社はストーリー同様に海外の赤字ホテル経営や為替予約の失敗などが引き金となり倒産しています。

こうした構図にフォーカスすることが沈まぬ太陽の意義だったと考えます。

沈まぬ太陽は組織に生きる人間のバイブル!

沈まぬ太陽での学びは物語全編で見られる恩地氏の誠実な生き方です。

つまりこの作品での学びは主人公恩地氏の姿です。

腐敗した組織と闘う主人公の生き方はサラリーマンとして社会と関わる人間のバイブルとなり得ます。

私たちは現実世界でついつい甘い汁を吸おうと誘惑に負けることもしばしばです。

毅然とした考えと態度で組織や不正に挑む恩地氏の姿は俗世にまみれる人間の救いです。

物語の終盤では恩地氏の同期【行天四郎氏】が告発により失脚するところも観ている者の救いです。

けれど恩地氏は自身を厳しい環境に追いやった行天を恨むことなく彼を許します。

このあたりの処理とストーリー展開はおそらくフィクション性を持った部分だと推測しますが、リアルな恩地氏の気持ちは恨みを捨てた同じような心境だったのではないかと思うのです。

そう考える興味深いエピソードがあります。

恩地氏をモデルとした実在の人物は定年退職後にアフリカ自然活動家となる

恩地氏をモデルとした実在の人物は退職後にアフリカ勤務の体験がキッカケでアフリカの魅力を伝える活動を行っているところが非常に興味深いです。

つまり彼は僻地勤務を社会人人生のデメリットではなく人生の宝物としています。

けれども物語中でケニア赴任を命ぜられたときかなり取り乱したシーンが映し出されています。

おそらく実際そうだったと推測できます。

しかし僻地勤務がなければアフリカの自然に魅せられることもなく、アフリカの大自然を愛する同志を集めた【サバンナクラブ】を結束する機会もなかったハズです。

あらためて彼の人間力を尊敬します。

このドラマには政治家の癒着や悪質な資金作りなどかなりリアルな場面が暴かれ社会の闇を知る点ではかなり貴重な作品に仕上がっています。

ぜひ作品で恩地氏の生き方に触れてもらいたいと思います。

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